こどもの食物アレルギー(2)

朝食

食物アレルギーは最近では世間に広く認知されるようになり、低アレルギーメニューを用意するレストランや、食材のアレルゲンの表示などがされるようになりましたが、食物アレルギーを持つ子供のママは家でも外食では特にたくさんの苦労があると思います。
こどもの食物アレルギーについて数回に分けて、食物アレルギーとはどんなものかや食物アレルギー持ちのこどものママたちに役立つ外食情報などをご紹介します。
今回は2回目、食物アレルギーのタイプと原因食物・についてご紹介します。

食物アレルギーのタイプ

即時型アレルギー

食べた後、直後から1時間後に、蕁麻疹や赤みが出たり、皮膚や粘膜・消化器・呼吸器などに症状があらわれるものです。
食物アレルギーの多くはこのタイプであるため、食物アレルギー=即時型アレルギーの意味でつかわれています。

遅延型アレルギー

遅延型アレルギーは原因食物を摂取してから反応するまでに時間がかかるため原因に気づきにくいアレルギーです。
ある食べ物を食べた翌日や二日後に、湿疹が悪くなるといった症状が見られる場合、「遅延型アレルギー」の可能性を考えます。その食品に反応するリンパ球の働きで起きる症状で、IgE抗体は関係しません。リンパ球の反応を確認するためには、血液からリンパ球を取りだしてアレルゲンと混ぜ合わせ、3日から7日間培養して反応を見る「リンパ球幼弱化試験」を行います。実際にはこの検査は一部の大学病院などで研究として行われているだけで、一般の臨床検査ではできません。食べたものと症状の因果関係を確認するのは、食物負荷試験を繰り返し行うしかありません。

食物依存性運動誘発アナフィラキシー

主に学童期以降に見られるアレルギーで、特定の食べ物を食べてから数時間以内に運動をすると症状があらわれるものです。特定の食べ物を食べただけでは症状は起きず、特定の食べ物を食べた後に運動をすると症状が出るのが特徴です。
昼食後の休み時間や、5時間目の体育の時間、サッカーなど運動系の部活の時間に起きやすく、中学生の男子に多く見られる傾向があります。
症状は全身の蕁麻疹やむくみ、咳、呼吸困難などがあらわれ、進行が早く約半数が血圧が低下してショック状態を起こします。至急救急車を呼んで病院へ搬送するなど迅速な対応が必要です。

食物アレルギーを引き起こす原因食物

食物アレルギーの原因となる食べ物は、0歳児では鶏卵が最も多く、牛乳、小麦の3つで9割を占めています。
食生活の幅が広がる幼児期以降では、魚卵(いくらなど)やピーナッツ、くだもの、そば、甲殻類などの食物アレルギーも報告されており、原因食物の種類は多岐にわたります。

鶏卵 

鶏卵アレルゲンの大部分は卵白に含まれるタンパク成分で、卵黄よりも卵白の方がアレルギーが強く出ます。卵のアレルゲンは加熱によって大きく変化します。温度が高いほど、高温時間が長いほど、アレルギーは起きにくくなります。
※しかしこれは卵のたんぱく質に見られる特徴であり、その他の原因食物においても火を通せばアレルギーが起きにくくなると誤解しないようにしましょう。
通常は火を通してもアレルゲンは失われません。

牛乳 

牛乳アレルゲンは加熱しても、アレルギーを起こす力はあまり弱まりません。牛乳成分が加工品に含まれている場合は、含有量が最も問題であり、加熱や発酵といった加工処理の違いはあまり影響しないようです。このように牛乳タンパクは、様々な加工に使用されるため、完全な除去のためには原材料表示に十分注意することが必要です。また、牛乳成分は調整剤をはじめとした医薬品に含まれる場合もあり、注意が必要です。

小麦 

小麦アレルギーは、卵・牛乳に次いで多い食物アレルギーです。小麦アレルゲンは、パンやクッキーのように高熱で焼かれてもアレルゲン性が低下することがありません。一方、味噌や醤油に含まれている小麦は、1年近い発酵過程でタンパク質がほとんど分解しているために、アレルゲン性がほとんどありません。
小麦は食物依存性運動誘発アナフィラキシーの原因食品として最も多い食品です。

魚卵 

1歳ごろから、いくらなどを摂取して症状が出現することがあります。どちらも「卵」ですが、魚卵のアレルゲンと鶏卵のアレルゲンは別のものなので、鶏卵アレルギーの人が魚卵を除去する必要はありません、逆も同じです。

甲殻類

エビを代表とする甲殻類のアレルギーは、小学生頃から増加して成人では最も頻度の高い食物アレルギーです。エビやカニを煮込んだ料理のスープでも反応が出ます。エビアレルギーの多くは幼児期に発症して、耐性獲得することなく成人まで続きます。症状は典型的な即時型食物アレルギー反応で、大部分は摂取後1時間以内に発症します。蕁麻疹や浮腫といった皮膚症状が最も多いのですが、半数以上の人が口腔アレルギー症状を感じており、呼吸器症状も含めたアナフィラキシーの経験者も半数以上です。
また、甲殻類や貝類は、食物依存性運動誘発アナフィラキシーの原因食品としても重要です。

ピーナッツ

ピーナッツは、欧米ではアナフィラキシーショックを起こす代表的な食物です。日本でも患者数は急速に増えています。ピーナッツアレルギーの大部分の人が、全身蕁麻疹や呼吸器症状、アナフィラキシーショックを含む重いアレルギー症状を経験しています。また、ほとんどの人は幼児期に発症し、アレルギーは一生涯継続します。ピーナッツの強いアレルゲン性を考えると、食品に限らず、環境中のピーナッツアレルゲンにも注意が必要です。

くだもの

アレルギーの報告の多い果物は、キウイが一番で、次いでリンゴ、桃、メロン、ブドウ、バナナなどが続きます。

そば

ソバは、日本ではアナフィラキシーショックを起こす原因食物として有名です。ほとんどの人が、ごく微量の摂取やソバと共通の釜でゆでられたうどんにも強く反応します。ゆでる蒸気やそば粉の粉塵を吸入するだけでも反応するために、ソバアレルギーの人はうどん屋に入ることを避けているのが現状です。