こどもの食物アレルギー(1)

朝食

食物アレルギーは最近では世間に広く認知されるようになり、低アレルギーメニューを用意するレストランや、食材のアレルゲンの表示などがされるようになりましたが、食物アレルギーを持つ子供のママは家でも外食では特にたくさんの苦労があると思います。
こどもの食物アレルギーについて数回分けて、食物アレルギーとはどんなものかや食物アレルギー持ちのこどものママたちに役立つ外食情報などをご紹介します。
今回は1回目、食物アレルギーと治療についてです。

食物アレルギーとは

食物アレルギーとは、私たちの体の免疫が本来無害なはずの食べ物(食物に含まれるたんぱく質)を異物として認識し、に対して過敏に反応してしまう状態のことです。
主な症状は、
・皮膚がかゆくなる
・蕁麻疹が出る
・咳が出る
などです。
重い症状の場合には、意識がなくなる・血圧が低下してショック状態になることもあり、非常に危険な場合もあります。
国内人口の1~2%の人が何らかの食物アレルギーを持っていると推定され、乳児においては約10%に食物アレルギーがあると考えられています。

治療法

食物アレルギーに対する有効な薬や治療法はないため、原因となる食物を食べないことが予防・治療を行う上での原則となります。誤飲などで症状が出た場合には症状を緩和させる抗ヒスタミン薬やアドレナリンの自己注射製剤(エピペン)、湿疹を改善するステロイド外用薬などは必要に応じて処方されます。
また、食物除去は必ず医師の適正な診断を受けて行います。「必要最小限の原因食物の除去」を行うことが食物アレルギー管理の原則とされています。念のため、心配だからと言って自己判断で必要以上の除去はしてはいけません。
小児期に発症した食物アレルギーは、体の成長とともに徐々に耐性を得て、治ることが多いため、医師の指導の下必要最小限の除去と解除を進めていくことが大切です。

経口免疫療法

経口免疫療法(Oral Immunotherapy, OIT)とは、
成長の過程でアレルギー症状が早期に良くなることが期待できない患者を対象として、
専門医の指示に基づき、原因食物を症状が出ない程度の量を摂取し続け体を慣れさせ、耐性を獲得することを目指す治療法です。

一部の症例に効果があるとされていますが、治療中にアナフィラキシーなどの重篤な症状が出ることがあり、また経口免疫療法を終了した後に、治療対象の食物の摂取により症状が誘発される場合があるなど問題点があるため、一般診療として推奨されていません。

2017年11月横浜市の神奈川県立こども医療センターで食物アレルギー治療の臨床研究中に、経口免疫療法による治療を行っていた牛乳アレルギーのこどもが、入院治療を終え、医師の指導の下で自宅で牛乳を飲み続けていたところ、およそ3か月が経過してから牛乳を飲んだ直後に重いアレルギー症状が現れたのです。
こどもは一時心配が停止し、脳に障害が出ました。現在同病院では経口免疫療法は行っていません。

食物アレルギーかもとおもったら

食物アレルギーかも知れないと思ったら、まず速やかに病院に行きましょう。何かを食べてじんましんが出たからといって、食物アレルギーだとは断言できません。このため、食物を自己判断で除去することは不要な除去を増やすだけですので、絶対に避けてください。必ず病院へ行って、専門の医師に食物アレルギーかどうかを診てもらうようにしてください。
病院では、食習慣や摂取時の状況などの問診が行われます。次に皮膚テストや血液検査などで原因物質を推定し、食物アレルギーかどうかの判断基準とします。
皮膚テストでは、皮膚に小さなキズをつけて試験用の卵や牛乳をたらし、反応が起こるかどうかを検査します。これはプリックテストと
呼ばれています。
血液検査では、アレルギー反応を引き起こすIgE抗体(免疫グロブリンE)が血流中にあるかどうかを調べ、アレルゲン(アレルギーの原因物質)を推定します。IgE抗体は食物別に測定することができます。卵白に反応するIgE抗体や、牛乳に反応するIgE抗体があることが分かれば、該当する食物アレルギーの可能性が高いと判断できます。
大事なことは、これら検査の結果は食物アレルギーを診断する根拠にはならないということです。あくまでも食物アレルギーの診断は、食べて症状が出るかどうかですので、誘発された症状や検査結果を目安として、最終的には食物負荷試験を実施することになります。